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「ふんぎりがつかない?
……拓海さんが?」
ぱちぱち……とまばたきをして、
彼の顔を見つめ返す。
彼は鬱陶しそうに
眉の間に皺を作ると、
あたしの目から
まだはらはら落ちる涙を、
シャツの袖で拭いてきた。
「つくわけねえだろ。
カズヤが来た頃はお前まだ、
高校入ったとこだったし」
「え?
ガキって、あたしのことなの!?」
「ったりめーだろ。
ガキの頃は1年だって
でけえのに、
3年も遅く生まれやがって」
「……」
示し合わせたとも思えないのに、
誠司と逆のことを言う。
ポカンとしていると、
拓海さんはチッと舌打ちをして、
涙を完全に拭ってくれてから
あたしを助手席のシートに
グイと押し戻した。
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