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「俺が高校出る前から、
誘いはあったんだ。
ネットに上げられてた
俺の歌を聴いたっていう
凌士から。
一緒にプロ目指そうって」
「あ……」
“だって俺、
もともと拓海のファンだからなあ”
そう言って微笑むRYOJIさんを
思い出す。
あの笑顔に込められていたのは、
紛れもない信愛の情。
「凌士は、
スタジオミュージシャン一家の
ボンボンだったから。
腕もコネも本物だったし
しつこいし、
……何より人間だと思えたから、
信じられると思った」
「そうだったんだ……」
「いい話だとは思ってた。
でも、まだガキだったから
ふんぎりがつかなくてな……
渋ってたら、凌士から話を聞いた
カズヤが直接来るようになって……
おかしな連中とは
今のうちに手を切れって
勧められた。
その時間をやるからって」
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