歩むべき道

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カインが私をベッドに乗せると部屋から出て行った。 部屋の外で大声をあげるカイン。 女の悲鳴が城中に響き渡り…耳を塞ぐ。 きっとあの半裸の女はカインに殺されてしまうのかもしれない。 もうあの時の甘いバラの香りはしない…。 ベッドの上で膝を抱えて顔を埋めた。 カインに私の魂をあげられない…。 この事実に心は深く沈んだ。 どうせ誰かに取られる魂なのに、それはカイン以外の悪魔…。 天に一緒に行かないと言った私への当てつけなのか…、それともカインへの? 城内はしんと静まり返った。 でもカインは部屋に戻っては来なかった。 悲しさと寂しさに耐え切れず部屋から飛び出した。 部屋のそばにフルカスが立っていて、私に気づくと私を部屋に押し戻す。 「キョウカ様を大変な目に合わせてしまい、申し訳ありませんでした…。しかし今は部屋からお出になるのはご遠慮下さいませ。」 そう言って扉を閉める。 「フルカス!お願い!カインと話したいの、ここから出して!」 扉を開けようと押しても引いても開かない。 扉をドンドン叩いてフルカスを呼んでも答えてはくれない。 力なく扉の前でしゃがみ込んだ。 暫くすると扉の向こうからフルカスが話し掛けてきた。 「カイン様はお出かけになられました。キョウカ様を部屋から出すなと申し使っておりますので、お許し下さい。」 私を置いて…。 カイン…。 ふらつく足でベッドに崩れると、我慢していたいろんな感情が溢れ出して泣いてしまった。 私はどうしたらいいの? カインはそれから何日も戻っては来なかった。 それでもずっと部屋でカインを待ち続けた。 カインの気持ちを思うと、切なくて悔しくて苦しかった。 もがいても、泣いても叫んでも、私にはどうしてあげることも出来ない。 カイン…ごめんなさい…。
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