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「凛」
義くんの言葉には全く反応を示さない学は、さっきと同様あたしの名前を呼ぶ。
その声に、あたしの心臓はまたドキンッと大きく跳ねた。
どうしよう……
学に名前を呼ばれただけなのに、あたしの身体は物凄く熱くなる。
真っ直ぐな視線にも、あたしの身体は反応し、芯からジンジンと熱く疼いてくる。
ついさっき、義くんと一緒に歩んでいこうって決めたばかりなのに、あたしの心はまた、学に流されそうになっているんだ。
そんなあたしの心を見抜いているかのように、義くんは抱き締めている腕の力を緩めた。
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