第一章

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 親友・ロイの『妹』であることも、そうだが。当初は、二人だけのパーティーで、『パートナー』と言っても過言ではなかったのだ。  ユイ自身にはわからなかったが、ルルアンタとナッジには、セラの態度が『ユイ』と『他の者』とが、違うことに気付いていた。  無論。ユイ同様、セラ自身が、そのことに『自覚』があるかどうかは、甚だ『疑問』ではあるのだが……………。 「………そうかな。セラは、出逢った時から、あんな感じだよ。確かに、ロイ兄様と同じくらいには『強い』けど………。」  そう、兄・ロイには及ばずとも、ユイとて『己の技量』に、それなりの『自負』はあった。  まだ、『修行の旅』に出ていなかったと言えど、事実、ロイを除けば、村で一番強いのは、ユイだった。  村を『護りきる』ことは、出来なかったけれど、ロイと共に『不在中』を襲撃されたのでは、どうしようもなかったのだが………。  そんな中、出逢ったのがセラだった。ユイが初めて逢う、兄以外で、『己より強い男』。  兄とは違うが、その鮮やかな剣技に、素直に『感嘆』し、見とれたのも事実だ。……………性格だけは、誉められたものではないが……………。
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