7人が本棚に入れています
本棚に追加
彼女がゲーム会場に現れた時、本当に女神が降臨したのかと、思ったんだ。
クトゥルフ神話をベースにしているという特性上、ゲームはバッドエンドの方が圧倒的に多かった。
だが私達は、そこにのめり込んだ。
生還率が低いからこそ、燃えた。
誰しもそういうところはあると思う。
だが好きでやっていても、あまりにも進展が見えなければ、心が折れそうになる時だってある。
……そんな時に現れたのが、月様……ツキナだった。
叩き出される、圧倒的な生還率。
彼女がゲーム会場に出入りするようになって一週間で、彼女は会員達に神とあがめられるようになった。
希望の女神だ、と呼ばれるようになった。
その熱は、オフ会を経て、さらに高くなった。
『元々、好きなんです、クトゥルフ神話。
……だからかな?
どんな目が出ても、どうやって進めればいいのか、自然に分かる気がするんです』
現実世界のツキナは、私の想像以上に美しく、そして若い、少女だった。
最初のコメントを投稿しよう!