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「そ、それでね……あのっ、創造の力って言うのは無から有を作り出す能力、武器は勿論なんだけど、その世界には無い筈の君が見た物は、なんだって作れるんだよ」
「……そうなんですね、わー、すごーい……」
「後は、神級の魔法が使える様にもするし、今なら本来君が持ち得る筈の無い底知れぬ魔力も付けちゃう! 更になんとっ! その世界の知識がもれなくついてくる!!」
「……でも……お高いんでしょ……」
「勿論、無料の親切価格ですよっ! ほらっ! 授けたっ! 授けたから元気だそうっ!?」
「……」
私の意気消沈した姿に、神様は戸惑いながらも、励ましを込めた能力説明をしている。
店員みたい。
そして神が言葉を切り、元気玉くれポーズを取った時、辺りに光が煌めき始め、なんと言うかこう……光のエフェクトが人に入る様なドット絵時代のゲームみたいに、私の中に入ってきた。
その光はじんわりとした温かみを放ち、一日の仕事を終えた後に入る布団の如く、妙に安らぎを覚える感覚で、私の考え方がネガティブモードから一転、ポジティブシンキングに早変わりした。
まぁ、過ぎ去ってしまった事は仕方が無いよね……うん、霞、ファイトッ。
どんまいどんまい、良くある良くある。
皆そうやって乗り越えられない壁を、乗り越えてきたんだよ。
私、やれば出来る子。
ガンバッ、私。
時の流れを操る芸当など出来ないが、モードチェンジした私は、自分に言い聞かせながら重たい腰を上げる。
同時に、神も少しだが安堵の表情を浮かべる。
「それはまるで、娘を見守る父親の気持ちが顔に出たようであり、瞳にはうっすらとだが濡れた一筋の軌跡が残っていた。 でも、もう旅立ってしまう。時間とは儚くも残酷に時を刻み行く……私は、旅立つ神にどんな言葉を掛ければ良いのか解らない、でもまた会える様な気がする。だからありふれた言葉だけど、送らせてください……行ってらっしゃい……!」
「……うん、僕……頑張るよ――って、僕が行くの!? 可笑しくない!? 違う違う、僕じゃなくて君が行くんだよっ!」
バロスwwwwwwこの神様面白いwwwwwマジちょろwwwwwww
「あはっwwwお茶目wwwww」
「……はぁ、全く……君と話してると疲れる……十分で済んだ話が一時間に感じるよ……」
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