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周知の事実に固まっていた霞は、羞恥状況により徐々に赤みを帯びていく。
何百人いるのかは解らないが、それだけの人の目に触れているのだ。
ちょっと、吊ってくる。
そんな程度で済む話ではない。
「あ、あわ……あわわわ!! 女子! 堅めの女子!ヘルプッ!」
わたわたと慌ててしゃがみ込み、鉄の乙女に助けを求めた。
[念じればいいんですよ、服が欲しいと]
霞の慌てふためいた姿を余所に、鉄の乙女は抑揚なく淡々と述べ、霞は言われるがままに念じてみる。
服が欲しい、と。
[完了しました、ぷしゅー]
念じて数秒、鉄の乙女からそんな声が聞こえてくると、先程兵士を閉じ込めた蓋が、ぷしゅーっと言う声と共に開かれていく。
しかし、今の霞にはとてもどうでもいい事。
蓋が開くと、中には女性物の下着と衣服が浮いていて、それらを光のスピードで奪いさり、着用していく。
エフェクトを見る辺り、DQシリーズのかまいたちの様、またはFFシリーズのバルバリシアの如く。
「任務完了wwwwwwなんか指示をくれwwwwwwww」
ピタリと動きが止まると、そこにはいつもの霞が、何故か若干モデル立ちで佇んでいる。
着用したのは、水色の下着の上に、ベトナムの民族衣装でもある赤いアオザイ、丈が長くスリットが深いのが特徴的で機動性は良好そうだが、腕から肩にかけては何もないのでちょっと寒そう。
見方を変えれば、ノースリーブなチャイナドレスにしか見えないが、原型が中華服だからその辺似るのはご愛嬌。
[なら、少々ジャンプして……]
「ナチュラルなセクハラに草wwwwwでも嫌いじゃないwwwwwびくんびくんwwwwwww」
と、笑っていた霞だがふと何かを思案する様に、顎に手を当てて疑問を持った様子だった。
その疑問を、鉄の乙女にぶつけてみる事にしたみたいだ。
「それにしても、私が想像したのってTシャツと、短パンだったんだけど?」
[それですね、可愛くないんで却下です]
「おwwwwのwwwwれwwwww」
アオザイなんて衣装を普通、思い浮かぶ物ではない。
そこには、鉄の乙女のちょっとした粋なはからいが、隠されていた。
太股が寒いwwwwwwエロスを感じる暇もないwwwwwwww
[それで、ジャンプはまだですかね]
「しないよwwwwwwジャンプしたら見えちゃうじゃんwwwwwwwwブルマじゃないから恥ずかしいんだもんwwwwwwww」
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