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それから、『大体ご主人はですねぇ』と、ねちねち虐められた霞は『なんでこんな言われなきゃいけないの? 馬鹿なの? 死ぬの?』、そう思いはしたが言うのも憚られるので、心の引き出し(下から二段目)に仕舞い込みつつ、ナンカムズムズスル国へと歩み始めた。
軽く吹き出した霞の話は割愛する。
歩み始めたと言ったが、鉄の乙女がミサイルの如く飛んでいる上に、霞が絵に跨がる状態で先に進んでいく最中である。
「えーと、オトメって言ったっけ? なんてトチオトメ・クロガネオトメ・オカメ、なんて呼べば良い?」
[呼ぶ気あります?]
「曖昧三センチ程wwwwwww」
オトメってきたらクロガネしかないよね?ないよね?
なくなくなーい?
なくなくなくなーい?
[ご主人で無かったら、もう食べてるレベルですよ]
「オトメって呼ぶねwwwwwwwwお口ミッフィーにしときますwwwwwwww」
鉄の乙女のブラックジョークにより、霞はひよった。
先程、パクリンチョされた兵士を見ているからだろう。
[ナンガムズムズスル国に着くまで時間が掛かりますから、ある程度の説明をしましょうか]
「一番良い説明で頼む」
跨がる霞が腕を組むと、鉄の乙女は口を語り始めた。
[この世界は、広大な大地と自然が溢れた世界、しかしながら時は戦乱が巻き起こる世の中であり、世紀末にも近いです。
血が舞い、命が無惨にも散っていく。
大国名を挙げるとすると、
【水のスライス王国】や【土のトロイア王国】に、今から向かう先にある【火のメロンディア王国】
他に【風のフィードウェア王国】と【光のレンダー王国】、最後に【闇のベベル王国】があります。
そして、最後に今向かっている【火のメロンディア王国】の入り口でもある【ナンカムズムズスル村】で、これで国は全部ですね]
「取り敢えず、最後の村で草」
鉄の乙女による大陸に点在する国の説明は、霞の吹き出し笑いで幕を閉じた。
[笑うのは勝手ですが、今からそこに攻め込むのですよ?]
「待って、お願いだから待って」
[やです]
こいつ言う事を聞かない、バッジが足りないのおぉぉぉぉ!?っと言う雄叫びが、その場に木霊して取り残されていく。
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