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――霞視点
ふと気付いた時、私の思考は稼働していた。
何故かは解らないけど、解らない事が多くて一つだけ解る事があるとするなら、あの瞬間に『私が死んだ』と言う事。
実にあっけなく終わった人生、いきなり過ぎて訳も解らぬ内に私、終了のお知らせ。
しかし、どうなんだろう?
今、こうして考える事が出来るのはまだ生きている可能性がある、そういう認識も持てるが、確固たる確証が無いからやはり解らないとしか言えない。
もうなるようになれ、そう思った私は手足に力を込めてみる。
ぼんやりとだが、動かせている様に思える。
「……」
意を決してゆっくり瞳を開くと、まず目に入ってくるのは白い天井か。
左右を確認してみるが辺りは真っ白で、白く隔離された様な部屋にも見える。
「なんなの、ここ……?」
私の独り言が部屋に響く、そんなに広さは無いみたいだ。
次に、再び手足に力を入れてその場で立ち上がり、改めて体に異常が無いか確認をする。
制服は血塗れでボロボロになってしまっているが、体に異常は見当たらない。
訳が解らない、実は夢落ち。そんな考えに至った時、私の背後に気配を感じた。
先程までは私以外に、誰もいなかった筈。
そう思った私は咄嗟に後ろに振り返る、そこには長いブロンドの髪を揺らし、白装束を纏った長身の人物が杖を片手に佇んでいた。
「やっ、僕は神。創造を生業としているけど、何か質問ある?」
「……」
私は絶句した、いつもであれば私が絶句させる方ではあると自負しているが、絶句したのは初めて。
思いの外、軽いノリで自分自身を神と呼称するなんて、信じられない狂気の沙汰であり、正常な人間であればまさにゲスの極み。
「酷いな、確かに君を殺めてしまったのは僕の不手際なんだけどさ」
「……ふぁっ!?」
気持ちを読み取れるなんて、本当に神様……?
しかし、聞き捨てならない言葉が連なる。
「あの、不手際って言うのは……?」
「人間には『人生計画書類』って言うのがあるんだけど、この人はこんな事してこんな経歴で人生の幕を閉じますよー、って流れが書いている書類、言わばまぁ、魂そのものと考えてくれれば楽かも、君も僕も」
「……は、はぁ……?」
それが、私とどんな繋がりがあるんだろう?
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