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「さしあたって、スリーサイズから……(フンスフンス」
「ふふっ……攻めて来る子も嫌いじゃないけど、私は攻める方が好きなの」
「ふぇ……!?」
お姉さんが良い香りを振り撒きながら近付いてくると、私の顎をしゃくり視線が重なる。
妖艶な笑みを浮かべ、近付く端整な顔は絶世の美女、そんな彼女に迫られている私は、慣れてない状況に脳内がパーンしました。
「い、いやっ! 物事には準備や気持ちがひつっ必要でしてっ! 貴女の瞳が眩しくて!?」
「良いですね、その反応。色々とそそりますけど、お預けです」
てんやわんやしている私の唇に人差し指を当て、首を傾けなからいたずらっ子の様に微笑む。
めっさ良い香りwwwwwソフラソみたいなwwww
「あのですねぇ……」
お姉さんが離れ、私は高鳴る心臓を落ち着かせていると、知らない内にめり込み男子が横に立って話し掛けてきた。
「なんですか、めり込み予備軍さん?」
「神だよ! げふんっ! いいかい? 兎に角君は、僕のせいで死んでしまったんだ」
「そっすね」
「もう少しリアクション取ってくれる!?」
「まぁ、さっきもやりましたし」
寧ろ、お姉さんと親密になりたい。
あわよくば濃密な時間を共に過ごしたいとさえ思う私は、何処かで道を踏み間違えてしまったのだろうか。
「そこで、君に提案があるんだよ」
「なんですか、そっちのお姉さんでもくれるんですか?」
「彼女に食い付き過ぎだよ!?」
むぅ、どうやら私の希望は通らない様だ、悔しい。
良いじゃないか、同性同士でベッドインしたって。
取り敢えず、神様が五月蝿いんで話を聞く事にします。
「君には新しい世界に旅立ってもらう」
「……新しい宗教ですかね? 私、貧乳教なんでちょっと……」
「聞いて! お願いだからっ!?」
「う、うん」
長身の男が膝を折って、涙ぐみながら懇願する姿にドン引きしつつ、改めて聞く態勢を取ると再び話を始めた。
「これから君が行く世界、それは君の世界では異世界と呼ばれる世界であり、そこでは想像くらいでしか知らない魔法が存在するが勿論、幻想世界の魔物達も出現するんだ」
「異世界に、魔法……」
一応、ライトノベルもたしなむ私に取っては、すんなりと耳に馴染む単語だった。
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