プロローグ

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「勇者は間に合ってると言ったけど、もう一つ足りないピースがあるんだよ」 「もう一つ……」  勇者とワンセットで必要となる存在。 「……魔王」 「正解、君が新しく生まれ変わる世界には勇者も魔王も居ない、人間が人間と争う醜い世界なんだ。僕はそれを止めたい、終わらせるには新たな力がいる……だから、勇者と魔王が必要だと思ったんだ」  神はピンポーン! と、明朗な声色で笑顔になるが、直ぐに神妙な顔に戻り、無駄なイケメンフェイスには寂しさが滲んだ様な、憂いを帯びた表情をしている。  ……要は、醜い争いを止める為の立役者になると言う事なのかな。 「こんなか弱い女の子を捕まえて、魔王……ねぇ……」  倒されるのを解ってて、引き受ける人間がいると思っているの? 「僕と契約して魔王になってよ! なんて言われたって誰もなりませんよ?」  しかし、魔王が必要不可欠なのは誰が見ても明らかで、さっきも言ったけど勇者と魔王でワンペア、ツンデレ=ツインテールでツーペア、グッチ=冬樹でビージーフォー、って何言ってんのあちしwww訳解らなすwwwwww  まぁ片方が欠ければ勇者でもないし魔王でもない。  なんか妙に暑苦しくも強い人間と、厨二病拗らせたかなり悪い奴。 そんな認識にしかならない、魔王を討って世界を護る事こそ、勇者であると、私は思っている。  しかし、一つ疑問が浮かぶ。 「魔物とかも居るんなら、なんとかなるよね?」  そう、神は言っていた。  魔法や魔物が存在するんだと、だから私が魔王にならなくて良いんじゃないか、そう思った訳なのだよ、ワトソン君 「魔物達はどれも下級種ばかり、下級種は知識が乏しくトップが居ないと統率もとれない。簡単に人間にやられてしまうのだよ」 「私一人行った所で、下級種滅ぼされたら魔王軍(仮)になるんだけど?」  やだよ、そんなの。  クロエクルルルェェェルウォォォもビックリだよwwwwwwもう名前すら思い出せないよwwwwワロタ。 「いいかっ、そこでだ!」 「人様に指を向けるでない」 「アァァァッー!! 指がぁぁぁ!?」  声を荒げ、意地でも了承させてやる! そんな意思を見受けられる神が、勢い良くも何とかロンパのノリで人差し指を私に向けたから、うっかり第二関節を握って上に向けちゃったwwwwてへっwwwお茶目wwwww
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