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「おはようございまッス、プロデューサー。」
「あぁ、比奈か。 おはよう。」
俺がパソコンで作業をしていると、事務所の扉が開き、一人の女性が気だるそうに入ってきた。
入ってきたのは“荒木比奈"
肩まである栗色の髪の毛はボサボサで、色んな所が跳ねている。
緑色のジャージ一色で飾られたその容姿からは、とても彼女がアイドルとは思えない。
「また〆切に追われてるのか?」
「いや、まぁ、お恥ずかしい話ッス。 と言うか、私が一番乗りなんでスねぇ。」
比奈は、周囲を寝惚け眼で見渡して言った。
「そうみたいだな。 まぁ、立ち上げたばかりで仕事も殆ど無いし。」
俺がそう呟くと、比奈は事務所にあるホワイトボードを見てクスリと笑う。
「…? どうかしたのか?」
「あれッス。 ホワイトボードも、その名に恥じないなと思っただけッス。」
「これは手厳しい。」
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