第1章

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しかし『医者あいてに恥ずかしがっていてはダメ!』と、覚悟を決めて服を脱ぎ、診察台に横になった 先生は、シコリに触りながら、何度もサイズを測り記入した 服を着て、椅子に座ったよしみに 「どこから見ても、癌に間違いないでしょう これから詳しく検査して、治療していきましょう」 と、先生が言った 診察後 よしみは、ある俳優を思い浮かべていた 先生の姿が似ているように思ったのだ 最後に看護師さんから、これからの検査の日程の説明を受けて 「帰る前に採血をしていって下さい」 と、言われたので よしみは、また地図を見ながら採血室へ行き、採血をしてから帰った 担当の先生が、医者の役をやっていた俳優に似ていて 不思議なもので、途端に羽田先生が名医に見えてきた しかも好きな俳優だったから 『ちょっと病院に行く楽しみが出来たかも』 そして 病院に行くのが嫌にならないように 『治療に行くのではなく、先生に会いにいくんだ』 そう思うことにした
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