HYPER LOVE

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HYPER LOVE

目を覚ますと、寝室のベッドに横になっている。 生ぬるい風がカーテンを揺らす。 もう夏だから、窓を開けてると蚊が入って来ちゃうよ。 ゆっくり起き上がると窓を閉めてエアコンのスイッチを入れた。 エアコンはゆるゆると動き出し、冷たい風を吹き出した。 なんだか、とても長い夢を見ていた様な…不思議な感覚。 髪の毛をとかそうとドレッサーの前に座りブラシを探した。 ブラシを持ち、髪をとかそうと鏡を見ると、ブラシだけが浮いている。 驚いてブラシを落とした。 両手で顔を触っても鏡の中に私の姿はない…。 そして今までの全ての事を一気に思い出した。 私…。 軽く記憶を失っていたみたい。 魂を無くしたせいなのかな…。 あれから私の魂はどこに…。 リビングに気配を感じてドアを開けると、ソファに腰掛けた後ろ姿が目に飛び込んで来た。 「カイン!!」 カインはグラスを片手に私の方に振り返る。 グラスをテーブルにコトリと置くと両手を広げた。 「抱きしめて欲しいんだろう?」 カインのあり得ない発言と行動で、私の方がちょっと恥ずかしくなってしまった。 それでも嬉しくて迷わずカインの胸に飛び込む。 カインは私の髪の毛を優しく撫でる。 とっても甘くて切ない…身体がじんわりと熱くなる。 「貴様は相変わらず突拍子もない事をしてくれるな。この俺様から逃げられると思ったか?」 カインの腕の中で首を振った。 「あのみすぼらしい死神の妻になるつもりだったのか?」 また私は首を振る。 「あの人間の男のそばにいるより、死神を選ぶとは…貴様の奇想天外な思考にはついていけないな…」 「ち、違うの!私…」 言いかけた私の唇をカインの唇が塞ぐ。 「まだわからないのか?貴様は俺様のモノだ。」 顔が真っ赤になった。 胸がキュンとする。 胸の奥が熱くて、くすぐったい。 「あんな薄汚い死神の妻になんかさせる訳ないだろ?」 頬がどんどん赤く染まるのがわかる…。 「照れてんのか?」 そう言ってカインは私のほっぺをギュッとつまむ。 「いった…」 そしてまた唇を重ねる。 優しい口づけから、私の唇を舐め回すと、ゆっくり舌が侵入してくる。 舌と舌が絡まり甘い痺れに酔いそう。 じぃん…と身体が熱くなってくる。
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