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金田 たか子様へ
姉さん お元気ですか
僕も一応は元気に生きています
そう云うのも、まだ僕の所属部隊は実戦に回されていないからです
でも四日後 いよいよ僕の部隊も戦闘に、ある作戦に参加する事になりました
不躾ですが 姉さんにお願いしたい事があるのです
それはこの手紙です
僕が 死んでしまっても
もし生きて帰って来れたとしても
この手紙を 捨てずに遺して置いて欲しいのです
姉さんには おかしな事に聞こえるかもしれません、しかし今から僕が書くことを読んで貰えれば、理解して頂ける筈です
この作戦で僕は恐らく
大切なモノを失うでしょう
きっと 別の人間
いえ 別の何かに変わってしまう
だから遺して欲しい
この手紙は 僕が
良心というモノを持った僕が書く
最後の手紙になるだろうから
だからお願いです 遺して下さい
もし僕が生きて帰ってこれたら
姉さんの前に弟の形をした何かが現れたら
この手紙を思い出して下さい
確かに貴女の弟は
人間だった貴女の弟はこの世に存在したと
勝手な頼み事をする弟をお許し下さい
金田 貴文
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