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◇
義くんがこの教室を出ていってから、ずっと涙が止まらなかった。
あたしは本気で義くんと歩んでいくつもりだった。
だけど義くんはあたしの真の心を見抜いていて。
義くんは最後まで、義くんだった。
しばらく止まらなかった涙は、学があたしを抱き締めながら背中をやさしくぽんぽんと叩いてくれることで、少しずつおさまってきた。
学の胸を押してゆっくりと離れる。
けれど、今さら恥ずかしくて学の顔を見ることができない。
そんなあたしの頬に手を添えながら、学は口を開いた。
「凛、ほんとにごめんな。俺、マジで最低だった」
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