恋多き女

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「先生!これ、画面が進みません。」 「けいちゃんちょっと待ってね。すぐ見るから。」 私の仕事はパソコンのインストラクター。電気メーカーからの依頼でメーカーの新入社員研修や代理店が行うパソコン教室に出向く事が多いけど、自社でも週4回もう一人のインストラクター徳川修二(とくがわ しゅうじ)君と交代で教室を運営していた。 今日は小学生コースの金曜日。学校が終わってからだから16時から始まった。時計を見ると17時半。 「はーい。皆さんスタート画面に戻りパソコンをシャットダウンして下さい。」 「先生ありがとうございました!」 元気良く帰って行く子供達。 「はーい!また来週ね。」 さて、仕事を早くあがるため教室の報告書を仕上げる。 今日は徳川くんもメーカーだし私の他は経理事務の榊さんだけだ。 「風早さん急いでるね。デート?」 榊さんが聞いてくる。 個人会社の少人数の社員の中で女性の社員は榊さんと私だけ。 夕方までは派遣社員のようこちゃんがいるけど、私はこの榊さんが苦手だった。 榊さんの質問には答えずニコッと笑顔を向けて事務所を出た。 榊さんの想像通り、 今日は彼氏の憐とデートする。 .
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