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玄関のドアを開けて中に入ると、凛に俺の部屋へ行くように促しながら、俺はキッチンへ入った。
お茶を淹れたグラスを二つと、ダイニングテーブルの上に置いてあるチョコレートの袋をお盆に乗せて歩き始めたけれど、階段を前にして、そういえば、と足を止める。
このまま部屋に入るのは危険だ。
というか、今のまま凛と二人きりになるのは危険だ。
さっき俺の脳内で渦巻いていたものが現実になってしまう。
それを防ぐために、胸の中で熱く疼き始めたものを鎮めるように何度も深呼吸をした。
幾分か冷静になったところで足を進める。
そしてもう一度大きな深呼吸をしてから、ゆっくりとドアを開けた。
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