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数十分後ーーーー
研究室から脱出して、施設内の薄暗い廊下を歩いていました。
僕はまだチンパンジーのままである。人間の時よりは体重は軽く、身動きはとりやすい。しかし、動物になった違和感はぬぐえないでいました。
「早く元に戻る方法を探さないと。」
僕はぼそりと呟いた。それと同じ時に廊下の壁にあるスピーカーから放送を知らせるチャイムがなりました。
『二郷くん、何処にいるのだ。無駄な抵抗は止めて大人しくしたまえ。』
僕は犯罪者ですか。
『今なら、何もしないぞ。絶対だぞ、多分。』
「どっち!?」
大きく叫んぶと、廊下に木霊しました。あ、やばい、声で位置が気づかれる。とりあえず何処に隠れなければ。
僕は辺りを見回します。すると一番すぐ近くに扉の開いた部屋を発見しました。
「失礼します。」
そう言って、僕は部屋の中へと逃げ込みました。
「とりあえず、ここなら安全かな。」
ホッと一息をつく。しかし、その部屋の中が妙にうるさいことに入ってから気がついたのです。
「え?」
「ウキャ!」
僕の目の前には同じようなチンパンジーがいました。
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