変身

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 「全くもう、なんてタイミングの悪いことになるんですか。」  『いやー、すまんな。とりあえずは逃げ切りなさいよ二郷くん。』  「何でこっちは会話が成立してるの、何処かで見てるでしょ。博士ーー!!」  癪に触るけど、博士の言葉の通りに僕は逃げ続ける。チンパンジーの体になったからか、息切れもしないでいるのはありがたい。    「ウキー!!」  「しつこいな、まだ追ってくるのか。」  僕は後ろを確認した。だけど、それを後悔することになりました。  「ウキャー!!」  僕を追いかけているチンパンジーは、大型バイクに乗っていました。  「どうして?!何処から手にいれたの。」  『おや、前回に作った電気で動くバイクではないか。鍵をかけっぱなしだったか。』  「どんだけズボラなんですか!!」  そんなことを言っている間に、向こうとの距離はどんどんと狭まってきていました。いくら猿になって身体能力があがっているとはいえ、限界がありすぎる。  ガッ!!  しまった。気をとられていたせいで、足がもつれてしまいました。  「げ!」  僕は盛大にこけた。後ろからのエンジン音がどんどんと大きくなってきています。  「や、やばい。」  もう駄目だと思った。頭を守るように僕は踞ってしまいました。  「ウキーキキー!!」  最後に追いかけてくるチンパンジーが雄叫びが聞こえた気がしました。
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