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学の行きそうな店って、見に来たら、ちょうど店から出るとこで……様子もおかしかったから、昔の習慣でそのままつけたんだ」
「じゃ、最初から?見てた?」
キラキラしながら、おもちゃ見てるとこ見られたのかと思って顔が赤くなる。その上、痴漢されてるとことか全部見られてたとか、なんなんだ、すげえ恥ずかしい。
「いや、外で待ってたんだけど、なんか嫌な目つきのおじさんが学の後から入って行ったし、時間かかるから気になってさ」
あ、おもちゃ観賞は見られてなかったらしい。
しかし、迅のカンってすごいなあ。
ごほんって音が聞こえて、そっちを見ると、店員がこっちを見ている。早く帰れって顔だよな。あれ。
「か、帰ろう」
戻りかけたオレを迅が止める。
「いや、なんか欲しいんでしょ?買って行こうよ」
ぎょっとしたオレを見て、迅が微笑む。
「これとかどう?」
迅が初心者用って書いてある箱をオレに差し出した。
「やっ!いや、いい」
「そ?」
棚に戻すのかと思ったそれを、迅はそのままレジに持って歩いて行く。
「ちょ」
「迷惑料だよ」
通っていく間に、ローションやらゴムやら、手馴れた手つきで箱に重ねて行く。
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