大人の塔に行く

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 それで、とぼとぼと百貨店を後にして、落ち込んだまま、道を歩いていた。そして、このまま帰るのもどうなんだろうと思っていた。 そして……ふと目を上げると、このタワーが目に入った。  いや、こっちの方がよっぽどハードルが高いだろう?  そう思いますよね?  今、この尻を揉まれ、首の後ろにはあはあと息をかけられている俺ならば、ですよね~!と返事をするだろう。  急ぎ足で百貨店に戻り、奥様達に混じり、売り場で一番高いクッキーの詰め合わせを買うことも、迅の膝の上でクッキーを口に突っ込むとかいうそういう羞恥プレイのような真似も、いやいや、あーんとかって可愛くしなを作らねばならない事態が来たとしても、すべて了承印をつけるくらいの心構えは出来ている。  が、しかし。  百貨店で惨敗を喫し、自己批判と自己嫌悪にまみれたオレは、とても落ち込んでいたんだ。  あ、オレ無能だなって、そう思っていたんだ。  それで、何を思ったか、エロタワーの灯りを見て、身体で……とか思ってしまった。  ローションの類はいつも迅が卒なく用意してくれていたのも、気にかかっていたのに違いない。オレの方がよっぽど年上なのに、経験がなかったのをいつまでも引き摺って、年下の迅に甘えっぱなしだしなと思っていたのだ。    そ、それから。それから。  多分、興味もあった、んです。
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