大人の塔に行く

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 ぐいっと男の足が股の間に入り込む。  こ、これは……股ドンという状況では!  いや、股ドンは正式には向かい合ってするもので、後ろからするのは違うよな。いや、そういうことを考えてる場合じゃない。逃避するなら現実じゃなく、痴漢からの逃避を考えるんだ。  おい、ぐりぐり足動かすのやめろ。  横にずれようとするけど、今度は股の間に足が入っているので動けない。  密着してくる身体に、本当に怖くなって来た。  迅のじゃない体温が嫌で堪らない。  もう恥ずかしいとか言ってる場合じゃないよな。声をあげようとすると、口を塞がれた。ごそごそと手が前に回って、縮みあがっているものをさわさわと触って来る。  ひい!  声にならない声で叫ぶ。  声に出しちゃうといろいろやばい体質なんだ。多分そういう気分じゃないから大丈夫だと思うけど。でも、もし、おっきしちゃったら、なんかいろいろ申し訳ないとか思うんだ。迅に申し訳ないじゃ……。 『学……』  迅の声が聞こえた気がして、ぞわってうなじの毛が立つ。うわ、何を思い出しちゃったの。迅のことなんか思い出したら……さわっとまた股間を触られた。 「んっ……」
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