第1章 花姫の母上の願い

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 宝箱をほり出して 大喜びの2人。  箱には Uの字型の古い南京錠というカギが かかっている。  花姫がたもとから 紙を出して カギ穴の汚れを落とす。  良幸がカギを入れても カギ穴の方がさびて 入らない。 「開かない」 「まあ、どうしましょう」 「ぶちこわすしかないね」  良幸は スコップでカギをたたくが はずれそうにない。  力でムリなら頭を使う。良幸はクサビ形の細長い石を探して拾う。 「これを差し込んで割っちゃえ」  良幸は石のとがった先を Uの字に突っ込んで シャベルで太い方をガンガンたたく。石がまん中くらいまで入ったら Uの字の金属がもろくなっていて ポロっと折れた。  カギが はずれた!  花姫がパチパチ手をたたく。  良幸はニッコリ笑う。 「金庫やぶりの ドロボウになった気分」 「カギ屋さんの方がいいわ。つかまらないもの」 「そうだね。中身は次の地図だったりして?」 「いーえ 宝物に決まっておる!」  2人はワクワクしながら 宝箱の開け口に手をかける。 「いくよ。せーの」で いっしょにふたを開ける。  花姫の力は無いけど、ギシギシ パカーッと 宝箱のフタが開いた!
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