第2章 山賊(さんぞく)にねらわれた財宝

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 子どもたちを見て山賊たちは 「何だ。子どもかよ。」 「きたねえ箱。中身はガラス玉じゃねーの?」 「あのお姫様をつかまえた方が みのしろ金でかせげるぜ」  山賊は東の山から丘におりた。  父上の方は子どもに見つからぬよう 西の針山のデコボコ谷からおりたので 山賊には会わなかった。先回りして栄町への道で待つことにした。  その間 子どもたちは すごいスピードで落ちる手おし車を 必死で追いかけていた。  手おし車の最後は 3メートルほど ガケになっていた。  手おし車はまっすぐつっきり ガケ下に落ちていった。  宝箱と手おし車は 上になったり下になったり。空中を飛び、突き出た岩にガンゴン当り、ひもがほどけて、2つは別々に落ちた。  大切な宝箱は一番下の岩までイッキに落ちた。 「ガターン!」と はげしく岩にぶつかり はね返った。  宝箱のフタが開き、金銀財宝が あたり一面 バラバラに飛び散った。  良幸はガケの上まで来て「わーっ」と 立ちすくむ。  下はとても急なガケだ。落ちたら死ぬ!  良幸は『遠回りで ガケの下におりるよりない』と思った・・・が 「飛びましょう」花姫が手をつないだ。  山賊にはまだ ガケの下は見えなかった。  2人がガケの下におりると 金銀財宝が あちこち散らばって 星のように キラキラ光り輝いていた。 「どうしよう。宝物がバラバラだー」うろたえる良幸。  責任感の強い花姫は 母上の願いをかなえたい! 「早く宝箱にもどそう。誰か来たら盗まれる!」 「うん。町の人に返さなきゃ」  金銀財宝を拾う良幸。  花姫は草にかくれた宝を見つけ 霊の力で良幸の方に飛ばす。
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