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「父上が私たちを探しているらしいわ」
「何で?」
「さあ?爺(じい)やから聞いたから」
父上が「花姫~」と 呼ぶ声が聞こえた。
花姫と良幸が 井戸の方に行くと 父上が現れた。
「やあ 姫ここにいたか。よかった。君もいて」
良幸は「はぁ?ボクも?何で?」と 聞く。
「今日の平之助の事では礼を言わねばならんからな」
「え?今日?」
花姫と会ってから 大分たつのに 同じ日?
父上は2人をほめる。
「君も花姫も よくやった」
花姫は「父上、ごほうびは?」と おねだり。
「よしよし。何がよい?」
「う~ん。何が良いかな?」
父上は良幸にも聞く。
「君は何が欲しい?剣か?」
剣?今どき持つだけで怒られそうだ。
「そんなの いらない」
「何?君は剣が欲しくないのか?」
「何のために?」
父上は 逆らう良幸に こぶしを上げておどかす。
「男がそんなで どうする?わしが剣を教えてやる」
刀をぬく父上に おびえて 後ずさりする良幸。
「え~?い、いりません」
花姫が止めに入る。
「父上、彼は平和が望みなのです」
「フン たんに 弱虫なだけでは?」
父上は鼻をならし 刀をしまう。
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