第2章 山賊(さんぞく)にねらわれた財宝

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 もともと良幸は さっさとかたずけをできる子ではない。  拾って宝物が両手いっぱいになると落としたりする。  山賊の次男はイライラして 「グズグズするな 箱に入れろ!」と 良幸をムチでたたくが、すりぬけてしまう。 「いたくないもん」 「くそ」どうしていいかわからない山賊の次男。  良幸は『幽霊は消えられないかな?』と思い、花姫を見る。  花姫は 山賊の兄から逃げようと もがいている。 「うぐうぐ」  山賊の兄は力が強く 逆らえない。  山賊も幽霊か?   どうしたらいいか分からない良幸。  父上の方は先に行きすぎ 山賊を見て あわてる。 『娘を人質にするとは許せん』と 山賊に怒りをもやす。  でも、殿は かしこく冷静に行動する。 『姫を助けるには ヤツラの後ろに回るしかない』良幸を見て『あの子がたよりになるといいが・・』と 望む。  父上は山賊たちに見えぬよう スーッと木の間から 娘に近づく。  良幸も 財宝を拾いながら いろいろ考えている。 『どうやってヤツから 姫を放そう』でも『姫は地震(じしん)で死んだ。ここでは死なない?』ならば『山賊をおどかして花姫をうばって逃げる』でも『もし姫が死んだら大変』  迷って宝物を拾うだけの良幸。  岩の間や草にも だいぶ宝が入りこんでいた。良幸は見て見ぬふり。 『あいつらに見えない宝は 放っとこ。少しでも花姫に残してあげたい』  他の宝は 命令どおり 宝箱に入った。 「入れたよ。姫を返して」  山賊の兄は 花姫の首に刀を回したまま 「その宝箱を 手押し車に乗せて おまえが運べ」と 良幸に命令する。
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