第2章 山賊(さんぞく)にねらわれた財宝

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 強い父上は 刃向かう山賊の次男と 戦っていた。  次男はムチャクチャに刀をふり回すが、父上は相手の動きを見て す早く冷静に動く。強い者は力でなく 先を読んで勝つ。  最後に 父上が らんぼうな次男を かわし わきからいっしゅんで切った。 「ウウーッ」次男が 前のめりにドサーッとたおれた。  兄の叫び声に 三男がふり返ると、2人の兄が倒れていた。  若い三男は 弱ごしで父上にかかって行く。かなりビビっている。  父親は 山賊の三男におどしをかける。 「かくごせい。娘を思う父親に勝てると思うか!」 「ま 待て。オ オレは兄きの命令に従っただけだ」  山賊の三男はおじけづき、後ずさると方向を変え 「助けてくれー」と 逃げて行った。 「たわいないやつ。殺すまでもないわ」  父上は刀をしまい かけよる花姫をだく。 「恐かった」と すがりつく花姫。 「よしよし もうだいじょうぶ」と 娘の頭をなでなで。  花姫はたくましい父上にだかれて安心する。  良幸も物置小屋から出てきた。良幸は父上を見上げ 「す すごいなー。かっこいいなー。おじさん」と ほめたたえる。  殿様に『おじさん』は無いが、ほめられてうれしい父上は せきばらいをして 子どもに教える。 「エヘン そうじゃろ。そうじゃろ。強くて、女や子どもを守る。それが男じゃ」    花姫は父上が守ってくれるのはうれしいが   かしこい花姫は 父上に疑問を感じる。 「でも父上 何でこんな所に?」 「そ それは」 「さては姫が心配で 後をつけてきたのでしょう?」  花姫には分かっている。  娘に甘そうな父親に 良幸もよけいなことを言う 「それって親バカじゃないの?」  父上は良幸を「キッ」とにらんでこぶしをにぎる。 「おまえが丘を車ですべるバカをするからじゃ!姫の安全を考えんかい!」 「は~い。ごめんなさい」良幸は 肩をすぼめ「投げた宝物も拾わなくちゃ」と 父上から逃げる。
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