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宝物をもどした良幸は 花姫を助けた父上に 少しごきげん直しをする。
「ボクもおじさんみたいに強くなりたい。今度 剣道 教えてください」
殿さまに向かって気楽に「おじさん」は 大人なら打ち首でもおかしくない。
父上は『こいつはどこか外国の良い家のバカ息子か?』と疑うが、バカにきく薬はない。
「そうか ま 少しは見こみあるな」
下心も無く 人の良いバカな子は だいたい許されてしまう。
父上の気げんが治ると 花姫はまた良幸と2人になりたい。
「父上、後はもう大丈夫です」
良幸もガンコおやじは にがてだ。
「お祭りに行って この宝をどうやって返すか考えます」
「まー 欲も無い坊主だし ここからは安全だろう」
「では 父上 行ってまいります」
「じゃーなー。2人とも安全の道を行くのだぞ」
「ハイ。父上。まいりましょう。良幸さま。うふっ」
うれしそうに良幸の手をつなぐ花姫。
それを見た父上、娘の恋心を感じる。
『いかん!たとえガキと言えど男と女。男女7さいにして 席を同じうせず。姫はあの坊主を好きなようだ。あんなバカな坊主に娘を取られたくない。放っておけるか』
父親のシット心が もえもえ。
父上は帰るふりをして、物置小屋にかくれ、また後をつける。
子どもたちは 何も知らず 宝箱を引き なかよく栄町に歩く。
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