第2章 山賊(さんぞく)にねらわれた財宝

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 宝物をもどした良幸は 花姫を助けた父上に 少しごきげん直しをする。 「ボクもおじさんみたいに強くなりたい。今度 剣道 教えてください」  殿さまに向かって気楽に「おじさん」は 大人なら打ち首でもおかしくない。  父上は『こいつはどこか外国の良い家のバカ息子か?』と疑うが、バカにきく薬はない。 「そうか ま 少しは見こみあるな」  下心も無く 人の良いバカな子は だいたい許されてしまう。   父上の気げんが治ると 花姫はまた良幸と2人になりたい。 「父上、後はもう大丈夫です」  良幸もガンコおやじは にがてだ。 「お祭りに行って この宝をどうやって返すか考えます」 「まー 欲も無い坊主だし ここからは安全だろう」 「では 父上 行ってまいります」 「じゃーなー。2人とも安全の道を行くのだぞ」 「ハイ。父上。まいりましょう。良幸さま。うふっ」  うれしそうに良幸の手をつなぐ花姫。  それを見た父上、娘の恋心を感じる。   『いかん!たとえガキと言えど男と女。男女7さいにして 席を同じうせず。姫はあの坊主を好きなようだ。あんなバカな坊主に娘を取られたくない。放っておけるか』   父親のシット心が もえもえ。  父上は帰るふりをして、物置小屋にかくれ、また後をつける。  子どもたちは 何も知らず 宝箱を引き なかよく栄町に歩く。
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