第3章 宝物を町民に返す物語

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 金貨をうめるのに 良幸は ほる事も考えた。 「シャベルがあるといいな。物置小屋までもどる?」 「とちゅうで宝箱も確めましょう」  2人は 宝物をかくした草のしげみにもどる。 「ギョッ!」  何と!そこには あの物置小屋が建っていた!そんなバカな!  じつは物置小屋は 風を利用して空中に浮き、風に乗って丘を回り 屋根で方向を変え、ずっと後をつけてきたのだ。 『子どもたちが次に何をするか』楽しみになっていた。  2人が物置小屋の中に入ると 宝箱や花姫の着物がある。どちらも大切な物だ。  子どもたちがあまりにも不用心なので 物置小屋は大事な物をかくしてくれていた! 「きっと神様の使いの小屋よ」花姫はすぐ神様と結びつける。金貨の入った袋を持ち お礼を言う花姫。 「ありがとう。物置小屋さん。あずかってくれて」  物置小屋も「さん」まで付けられ、来て「よかった」と思う。  良幸もいつも助けてくれる物置小屋をふしぎに思う。 「もしかしたら 先が見えてて 時や場所をこえる異次元の小屋かもしれない」  だって小屋の中に 前に良幸が使った小さなシャベルがあって、幽霊の花姫も持っている! 「これは使いやすそう」花姫は喜んでクルクル回す。 「シャベルを探してたからかな」  良幸も異次元のシャベルで ふしぎな事も自然に受け入れた。  花姫と良幸は「またくるね」と 物置小屋を出た。  小屋はおとなしく見送った。
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