第3章 宝物を町民に返す物語

6/16

1人が本棚に入れています
本棚に追加
/40ページ
 金貨をうめるのに あきてきた花姫。 「あ~ 疲れてきましたわ」 「じゃあ ちがうことしよう」 「はいはい。何かの?」姫も喜び ほるのをやめる。 「後の金貨は 祭り場にかくそうか?」  姫はうなずき、良幸と手をつなぎ 祭り場にもどる。  父上もこっそり後を追う。  物置き小屋も『面白そうな金貨かくし』に フワッと風に浮き、父上の後を追う。ついでに忘れられたシャベルを風で吸いこんだ。  祭り場は混んでいるので 良幸と花姫は神社の裏から入る。  花姫はきんちゃく袋の金貨を 1つにぎり、良幸にささやく。 「どうやってかくす?見られてはいけませぬ」  良幸はキョロキョロして 木の落ち葉が積もった足元を 指で指す。  花姫はうなずき こっそり金貨を落とす。足で葉っぱをかぶせ、トントントン。 「OK。穴のあいているとこにも 入れようか」  良幸は大きな木の穴の所に行き 誰にも気付かれぬよう 花姫を後ろから だくように手で囲む。 「んふ」花姫は男子のうでにかくれて うれしそうに 金貨を木の穴にポイ。柱の割れ目にもポイ。  姫も探して そでで金貨をかくし 石の間に入れる。  コマ犬が口をあけているので すきを見て奥につっこむ。     気付かれないようにやるのは 秘密の喜びがある。  宝物は 探す方も楽しいでしょうが かくす方もドキドキ 楽しいのです!
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加