第3章 宝物を町民に返す物語

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 さあ 宝探しの準備ができました。後は町民が探すだけ。  良幸は宣伝を考える。 「これでだれか 金貨を見つけたら 宝探しのCMになる」 「シーエム?」 「広告とか宣伝さ。『金貨がうまってる』って言いふらすか」 「ふふふ。宝探しの シーエム。やりたい」 「じゃ~ みんなに宣伝しよう」 「ええ CMしましょう」  良幸は大人に声をかける。 「おじさん この町に宝がかくされてるって」  だれも聞こえず、1人の男だけ答えた。 「え?宝?おもちゃかい?」 「信じない・・・だめかー」  花姫は 町の子どもに話しかけた。 「この町に宝がかくされているらしいです」 「ほんと?今の話」 「ええ。金貨がうまっていると 言い伝えが・・・」 「探そうよ。お姉ちゃん」 「うんうん」その子は そのまま他の友だちに伝えた。子どもの方が信じやすかった。  花姫は ちょっとだけヒントを教える。 「何でも 並木道とか。花畑。大石の近くに金貨が・・・」  町の子たちは信じて 親にも話した。 「お父さん、この近くに金貨がうめられてるって」 「金貨?ほんとか?」  戦国時代は大名も 金をうめましたからね。大人まで 信じました。 「何~!町に金貨がうまってるって?」  うわさがドンドン広まりました。  花姫は 良幸を見上げ 満足そうに笑う。 「これで だれか金貨を見つければ 宝探しのCMですね」
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