第3章 宝物を町民に返す物語

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「穴ほりにクワを下さーい」ムシロの道具屋に 客が来る。  道具屋のおやじはふしぎがる 「今日は何で ほる道具が売れるのかな?」 「金貨探しみたいよ」  道具屋のおやじは その後 「宝さがしの道具はいかが?」と宣伝していた。  それから 1人の町人が1枚金貨を持って さわいだ。 「てえへんだ。この町に金貨がうまってるって ホントだぞ」  花姫と良幸は 見あって、ニッと笑う。 「やっとうわさが本当になりましたね」  花姫は手をメガフォンにして CMする。 「みなさん この町に金貨が かくされているそうです」  うわさを知った祭の役員たちも やぐらの上から大声で宣伝。 「みなさん!今年は『この町に金貨がうまっている』と うわさが流れています」 「祭りといっしょに 宝さがしも楽しみましょう」  これで宝探しのCMがバッチリできた。  良幸と花姫には まだ 宝箱が残っている。 「姫 そろそろ 宝箱を町役場に 置きに行こうか」 「最後のしあげね」   「あーっ」良幸は 宝箱の中身がカンペキじゃないのに気づいた。 「どうしたのじゃ?」 「丘のふもとに落ちた金貨、拾ってない。残ってる」 「では あなたの世界の人も宝探しができるわ。放っておこう」 「カンペキじゃない方が夢も残るか」 「カンペキは疲れます。人間テキトウが幸せじゃ。今日は幸せじゃった」うれしそうな花姫。  テキトウな子どもたちは 金貨と夢を町民に与え、楽しかった祭り場を後にする。
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