第3章 宝物を町民に返す物語

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 良幸はどこかぬけているが 次を考えるのは得意だ。  となりのコンビニエンスストアを見て 「じゃーここの宅急(たっきゅう)便でとなりに送っちゃお」 「送るのですか?お代、あります?」 「着ばらい。着ばらい」 「着ばらい?」 「受け取る人がお金をはらうの」  良幸は宝箱の中に先に書いた紙を入れる。宝箱を引きずり、ストアに入る。  後から 父上が ストアのガラスをのぞく。 「な 何じゃ?透明のカベか?」と 本だなの間から2人を見る。    店員が聞く。「箱の中身は?」  花姫「金、銀、お宝」  店員「え?お金は 送れないよ」と良幸を見る。花姫の声は聞こえるが見えないようだ。  良幸はあわてて「おもちゃの金貨」と花姫の声をまねる。  店員「やけに重いけど」  花姫はあせって「石でできた金貨なの」  店員が住所を見て「あれ?となりの町役場じゃないの?遠回りになるよ」  良幸「親にたのまれて、すぐ着いちゃ まずいってさ」と言い訳する。  差出人は 幽霊小町黒百合城大手門714 石川ゴエモン。電話は無し。ちょっと変。だけどアルバイトの店員は 受けつけた。  2人はホッとして店を出る。  良幸は Vサインで「やったー」と喜ぶ。  花姫も「これで母上の願いがかないます。やったー」と バンザイ。
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