第3章 宝物を町民に返す物語

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 花姫は「母上~」と 母に飛びつく。 「花姫、やっとあなたをだけて うれしい」  花姫と母上は喜びあい 思い切りだき合う。  父上はそれを見て 「奥方」と寄ってきて親子3人でだき合う。  良幸もそれを見て 感げき。 「願いがかなって良かったね 姫」と つぶやく  時代はちがっても 家族の愛は同じ。良幸も家族を思い出し 家へ帰りたくなった。 「じゃー ボクは これで失礼しまーす」  母上が止める。 「お待ち。ほうびも取らせず 帰すわけにはいかぬ」  首を振る良幸。 「いりません。いりません」『幽霊のほうびなんか』と 後へさがる。楽しかったのでそれでいい。  父上も お礼 無しでは気がすまぬ! 「奥方の言うことが聞けんのか?妻が井戸から出してもらえたのに 礼もせずに帰せるか」と むりやりほうびを取らせる気だ。  良幸はしかたなく答える。 「じゃ~ やっぱ。百点取りたい。2年も取ってないから 親が喜ぶ。試験の時 出て来て教えてくれるとか。ムリですよね」 「アホな子じゃな。紙と筆はあるか?町の張り紙は、はがすなよ」 『やば、見られていた』良幸は しかたなく 「サインペンはあるけど 紙はもらって来る」と 近くのコンビニエンスストアに走る。  良幸はストアで 赤ペンも買い 大きなコピー紙を1枚もらい もどってくる。
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