第3章 宝物を町民に返す物語

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「でもおじさん どうやって問題を書くの?」良幸は幽霊の父上に聞く。  父上は そばのバス停のベンチに紙を置かせる。 「まず自分の名前をかけ。おまえの百点だからな」  良幸がペンで書くのを見て 父上は 「墨が出るのか?すごい筆じゃの」と感心し、良幸の後ろに回り「おまえの手を借りて わしが問題を書いてやるからな」と 手に手を重ねる。  幽霊の父上は霊の力で 良幸の手を動かして書いた。  試験問題は じょうずな大人の文字になった。 (例)・の問題は読まなくてもOK。  ・文の意味を書け→参人寄らば文殊の知恵/喧嘩両成敗/等  ・聖徳太子が派遣した留学生の名と国を書け  ・15万石は何斗也 また何升也  ・源義経が5条大橋で誰を家来にした也。平家滅亡の戦いは何也  ・漢字を仮名に仮名は漢字に直せ(漢字の羅列)  昔の漢字だらけで 良幸は問題も読めない。 「答えを教えてやるからな。後はおまえが書け」  良幸「あー そうか」と 答えの名前を書こうとしたら 漢字が分からない。  父上がため息ついて地面に書く。  それを見て 良幸が答えを書く。  最後に父上に 赤筆で全部○をつけてもらい「百点」の答案用紙ができた。  百点のテストに 良幸はうれしそうに 「すごいや。こんな難しいの全部○じゃん。ママに見せなくちゃ」  花姫が「ママって?」と聞く。 「あ 母上のこと」 「良かったわね。百点」  父上は「あほか。何の意味があるのじゃ?」 「だって満点がないと やる気 出ないじゃん」
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