第3章 宝物を町民に返す物語

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 花姫も良幸をかばう。 「良幸様はふしぎな力があるの」 「ほらね」母上も父上を見てニッコリ。やさしく父上の手をにぎり「あなたぁ 娘にシットしないで こっちを向いて」と父の胸に甘える。  父上は もうメロメロ。そうなったら夫は妻のいいなり。 「そうじゃな」 「そうよ。あなたは私のことだけ思ってらっしゃい」  母上は父上の手を引いて 城へ向かう。  父上もうれしそうについて行く。  戦国時代の強い殿様も 家族にはやさしい父親だ。  やさいしい心は人の宝物。愛がいっぱいつまってる。  父上は 去りながら 子を心配する。 「姫 おいで。坊主は もうお帰り。さらばじゃ」  母上は良幸に「幸せをありがとう」と 感謝。花姫を呼び 手を差し出す。  花姫は 親の愛も、良幸の愛も欲しい。残念そうに良幸を見つめる。  良幸は もう引き止められないよう  「サヨナラー」と お城と直角の方を向き 川沿いの道を帰る。  花姫は「さよならー 良幸様」と こたえ 母上と手をつなぎ 「またねー」と 良幸に手をふる。  良幸も花姫に手をふるが 幽霊に『またね』は やめておく。  今 良幸は百点を持って、早く 愛する人間の親に会いたかった!     第2話 終り   第3話へ続く
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