第1章 花姫の母上の願い

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 父上は地図を見て 姫が道をまちがえぬよう 門を出て 「しっかりな。西橋まで まっすぐそっちだ」と 西をさす。 「はい。行ってまいります。お空から見ていてくださいね」と 甘える花姫。  良幸は早く父上と別れたい。護衛官のくせに 「行こ行こ」と 姫を引っぱっていく。 「あの子は親の教育がなっとらんな!」  父上は花姫が心配で 後をつけたくなった。  どの父親も かわいい娘は心配なのだ。  2人はワクワクして 宝探しの道を進んでいく。  夕方だったのに行く道は 昼のようにハッキリ見える。 「時間はたっぷりある」と 姫が言うから 昼かもしれない。  しばらく歩くと 道は3つに別れた。  行き先は どの道も同じ所に行ける。   左は普通の民家・右は野菜畑・まん中は光る道。  左の道を通ると 店や民家があり、おしゃべりや休けいもできる。子どもは遊びすぎて おそくなってしまうかも。  右の道の右がわは畑。おいしそうな野菜がいっぱい!ドロボウさん向き。でも野菜を取ると 重くなって 目的地までに疲れてしまう。  まん中は光る道。疑う人には見えず、好奇心いっぱいの子どもには変ったものが見える。 「わー、道が光っている」 「行きましょう」  2人は光る道を選び 迷わずに1歩ふみだす。 「わー」2人は光に乗って飛んだ。光は早い早い。  いっしゅんで 次の道へ出てしまった。  父上には光る道が見えず 子どもたちが消えたのであわてた。目立たぬよう 人通りのない 右の道で追いかけた。
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