始まり

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何処までも続く高速道路のコンクリート壁。 時折その隙間から見える景色は様々だ。 無機質なビル。 流れる河川。 畑や公園。 それらは、あっという間に視界から消え、また新しい景色を目に映す。 「ふぁ…」 飛行機の長旅のせいか、あたしの瞼が重い。 睡魔に襲われる中、ハワイでの学校生活が脳裏を過る。 みんな楽しそうにお喋りしてる。 だけどあたしは輪の中に入れないでいた。 自分は日本人の血が濃いからだろうか…変に壁を作ってしまう。 だからクラスメートと打ち解ける事が出来なくて… 白人の中には差別的な態度を取る子もいた。 そんなだから、あたしは親しい友達も作れず、もうすぐ16歳になる。 こんなあたしが日本の高校で上手くやれるとは思えない。 「家に帰りたいよ…」 満員バスの中、涙声が漏れてしまう。 日本に来たのは初めて。 お祖母ちゃんに会ったのだって赤ちゃんの頃。 お祖母ちゃんはあたしをマヒナだって分かるだろうか? どんな人なんだろう? 何もかもが初めての生活。 緊張と不安で今にも心臓が破裂しそう。 こんな事で人見知りが治る訳ない! むしろ悪化しちゃう! 鬱々とした気持ちのまま、あたしは睡魔に完敗。 微睡みに落ちた。
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