第四章 火の屋

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「大和に怪我させたからだよ」  皆の恐怖を振り払うように、 出雲がさっくり説明してくれた。 「大和は、俺達の宝物。 昔からね」  大和は、鬼城の出身ではないのに、 六沙のライバルとなり、 鬼城に実力で並んだ人物。 憧れであり、誇りであった。 「ただ、大和、キレやすい。 それと、守備範囲が老若男女なうえに手が早いで、 俺達、お目付け役が必要だけどね」  大和、見た目を裏切る存在であった。 「でも、恋人の人数は無制限ではないみたいよ。 常に二人」 「二人?一人ではなくて?」  大神も、暫し笑う。 「そうなんだよね、 何故、一人ではないの?と、 今度、 聞いてみなよ」  何か変な回答が来るらしい。
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