第四章 火の屋

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「大和、奥さんには一途だったけど、 この二十三年で彼女は大人になった。 大和が自分の子供よりも、子供で、会いたくないそうだ。 大和も了承した」  アラーサは、 行方不明となる二十三年以前から、 大和を口説き続けているらしい。 大和曰く、 老若男女守備範疇と言われてもいいが、 ネコ、とか、ウケとかそういう立場は無し、 なのだそうだ。 「大和が、アラーサに異常に冷たいのは、 君の件があるからだよ…」  分かっているが、 どうにも自分の気持ちに整理がつかなかった。  音楽が止むという一瞬、小さな爆発音が響いた。 何事だと、 各自のボディガードが身構え、様子を伺う。 警備が、確認の為に爆発音に集まった。
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