ここからだ

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開いた口からはもう声は出なかった。 「ただいまー!お母さん、晃一、連れてきたよー!」 階下から扉の開く音、そして未希の声が聞こえたから。 「俺的には、今から未希と彼氏の前で宣戦布告するってのもアリ」 完全に固まった俺に、笑顔でコウちゃんはそんなことを吐いた。 ー神崎家長男・晃一 この男は、普段はクールで無表情、いざというときには頼れる男の中の男だが、他人が困難に陥っているのをおもしろがるという一面を持っていた。
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