もうひとりの弟

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ー『高校生になったら』 ガキの頃からそう決めてた。 小学生だった俺にとって、高校生っていうのはすげぇオトナに見えてたから。 お隣のコウ兄ちゃんは小さい頃からの憧れ。 初めてコウちゃんのブレザー姿を見たときは男ながらにドキッとした。 背も高いし顔も整ってる。 普段は無表情でクールだけど、ここぞというときに頼りになる男の中の男。 今がカッコ良くないとか、昔がカッコ良くなかったとかじゃなくて、高校生のときに初めて「コウちゃんってこんなにかっこよかったんだ」って思ったから、俺にとって高校生のコウちゃんは特別なんだ。 俺にとっての「オトナ」の象徴。
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