もうひとりの弟

6/7
前へ
/104ページ
次へ
だけど俺はこの先も「弟」のままなんてまっぴらごめんだ。 未希に「男」として意識してほしいし、俺のことを好きになってほしい。 そのためには今のままじゃダメだと思って、高校入学を機に俺は神崎家を出た。 幸い、両親は裕福な家庭だったから遺産はかなり残っているし、両家の祖父母からの援助もある。 だけどそれには出来るだけ手をつけない。バイトして、一人前の男として早く自立する。 いつも俺の前にいて大人ぶる未希をあっと言わせるんだ。 まずは未希にとっての「弟」の枠から抜け出す。 そのための告白だった.......
/104ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加