ストレイ・シープ

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「洋子(ようこ)」 改札を出て数歩行ったところで、唐突に耳に飛び込んできた声にびくりとする。 後ろを振り返っても、知り合いらしき顔は見当たらない。 と、左の肩がずしりと重くなった。 すぐ目の前に、声の主が立っていた。 「ああ」 思わず上擦った声を出してから、我ながら間抜けな反応だと思う。 左の肩が軽くなる代わりにさっと冷たくなった。
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