4903人が本棚に入れています
本棚に追加
/92ページ
参観日
朝から晩まで
働いているのに
母は必ず
参観日に来てくれた。
奥ゆかしさと
大胆さを兼備えた母。
我が子を見ようと
教室の後ろに並ぶ母親達。
できるだけ
中央の特等席をとろうと頑張る。
私の母は
決して
その中に入ろうとはしなかった。
教室の
外の廊下から
こっそり見る感じ。
でも 私の母は
同級生の
母親達と比べると
若くて綺麗な人
だったのでかなり目立った。
『Ａちゃんのお母さん きれいやなぁ。
女優さんみたいやん。』
何人かの友達に
言われて
私はとても鼻が高かった。
でも
授業中に私が
ぼ―――っとしてると
『Ａちゃん
ちゃんと先生の話
聞かな あかんよ。』
母はかがんで
いつのまにか教室の中
しかも
私の机の真横に！！
これが母の大胆な所。
私の席が例えば
ど真ん中の
一番前の席だった
としても…………………(泣)
私にとっては
嬉しさと
恥ずかしさの
入り混じった参観日…。
でも母が近くに来るとフワっとお化粧の甘い香りがして
良い匂いだったなぁ。
ちなみに
言葉が大阪弁なのは
大阪に住んでいたから。
最初のコメントを投稿しよう！