第1章

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モーニングセットが出されたときに、おじさんも目当ての本を見つけて戻ってきたようだ。 「小鳥ちゃん。ここは素晴らしい!!」 よくこんなブックカフェがあったもんだ、そんなことをいってるけどここは…おじさんの目的の場所の筈なんだけどね。 「そういえばおじさん、いきたがっている本屋って、『満天星堂』のことだよね。」 「そう、それだよ。そうそう、そこを探して…」 「ここだよ。」 「………るんだ………え??」 「ここ。」 「はは、冗談はよせやい。」 僕は、カウンターの方を指差す。 そこには、『満天星堂』と書かれた看板が。 「………………………。」 呆けた顔したガベルおじさん。 あ、ダメだ。思考が止まってる…。 「さっさと食べましょう。冷めてしまいますわ。」 カナリアが催促したことで、ようやく食事が始まる。 食事は、サンドイッチ、シーチキンサラダ、コーンスープ。 カナリアはこういう庶民の食べ物は初めてのようで、食べ方がわからずアワアワしている。 その点、おじさんは、ガツガツと食事を食べていた。 「しょうがない…か。」 カナリアにサンドイッチの食べ方を教えたが、 「手を使って食べるなんて、下品ですわ。」 といって食べようともしない。仕方ない、こうするか。 僕はサンドイッチを手に取り彼女の口元に近づける。 「はい、あーん。」 「………ふぁっ!?」 「手を使いたくなかったら、僕が食べさせてあげるよ。カナリアお嬢様。」 「ななななんっ………!!」 妹には、これに限る。いつも、家族の前では僕は謙虚すぎる。だから妹に対してたまにちょっと甘く攻めに転じることがある。そうすると顔を真っ赤にして、もごもごする。このときの義妹は可愛らしい。多分僕にはシスコンの気があるようだ。 「ほら、食べないのかな?」 催促して、軽くサンドイッチをつき出す。
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