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「あ、そうだ。よりたい場所があるんだよ。」
おじさんは僕に話しかけた。
「何処です?」
場所を聞くとおじさんはうーん、とうなり出した。
「なんだったけ?たしかそこは本屋の筈だよ。たしかぁ…、花の名前。ツツジ科の植物だったかな?あぁ、小鳥ちゃん、待ってよぅ!!」
俺が向かっているカフェとおじさんの目的の場所は同じのようだ。
「おじ様何でそんな所に行かれるんです?」
カナリアが質問すると、おじさんの眼が輝いた。
「あそこは私が知らない本が揃ってる。本好きの私にとって、最高の穴場だ。」
本探しのために各地をまわっているほどおじさんは、本好きなのだ。
「じゃあ、その店の名前を覚えてろよ、おじさん。」
「いやぁ、残念ながら一度もいったことないんだ。」
「そうですか。」
三人は近くのゴンドラタクシーにのり、目的地に向かう。
「なんだい?そのボクライゾン並みの小説は?」
「『孤独な鳥』。」
「あぁ、カッコウのお話か。」
―ボクは孤独な鳥だ。みんなとは体格が違う。本当の親がわからない。みんなから虐められる。―
―虐めるやつは嫌いだ。ボクは余りにも考えすぎる。だからボクは本能に従う。この巣の中で一番偉い鳥になる。ただそれだけ。だからマズ邪魔ナヤツヲ…―
カッコウってやつは…僕に似ていて、でも違うやつだな。
「着きましたよ。」
ゴンドラ船員が目的地に着いたことを教えてくれた。目的地カフェ アゼリアに入る。
「いらっしゃいませ。」
マスターが声を出した。
「モーニングを三つ、オススメで。」
そう言いつつ手頃な、いや、いつもの席へと向かう。席につくと、
「そう言えば、君は学校にはいかないのかい?」
嫌なとこをつかれたな。
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