第1章

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「あ、そうだ。よりたい場所があるんだよ。」 おじさんは僕に話しかけた。 「何処です?」 場所を聞くとおじさんはうーん、とうなり出した。 「なんだったけ?たしかそこは本屋の筈だよ。たしかぁ…、花の名前。ツツジ科の植物だったかな?あぁ、小鳥ちゃん、待ってよぅ!!」 俺が向かっているカフェとおじさんの目的の場所は同じのようだ。 「おじ様何でそんな所に行かれるんです?」 カナリアが質問すると、おじさんの眼が輝いた。 「あそこは私が知らない本が揃ってる。本好きの私にとって、最高の穴場だ。」 本探しのために各地をまわっているほどおじさんは、本好きなのだ。 「じゃあ、その店の名前を覚えてろよ、おじさん。」 「いやぁ、残念ながら一度もいったことないんだ。」 「そうですか。」 三人は近くのゴンドラタクシーにのり、目的地に向かう。 「なんだい?そのボクライゾン並みの小説は?」 「『孤独な鳥』。」 「あぁ、カッコウのお話か。」 ―ボクは孤独な鳥だ。みんなとは体格が違う。本当の親がわからない。みんなから虐められる。― ―虐めるやつは嫌いだ。ボクは余りにも考えすぎる。だからボクは本能に従う。この巣の中で一番偉い鳥になる。ただそれだけ。だからマズ邪魔ナヤツヲ…― カッコウってやつは…僕に似ていて、でも違うやつだな。 「着きましたよ。」 ゴンドラ船員が目的地に着いたことを教えてくれた。目的地カフェ アゼリアに入る。 「いらっしゃいませ。」 マスターが声を出した。 「モーニングを三つ、オススメで。」 そう言いつつ手頃な、いや、いつもの席へと向かう。席につくと、 「そう言えば、君は学校にはいかないのかい?」 嫌なとこをつかれたな。
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