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「学校は………編入試験受けたんですけど、まだ結果が送られて来なくて。」
「それは、楽しみだな。私のいるときに、知れれば良いがな。」
そういいつつも騒がしく辺りを眺めている。
「本が気になりますか?お客様。」
マスターが声をかけてきた。
「えぇ。とても。」
「本を汚さない。食事中に読まない。本を大切に扱う。本を許可なく持ち出さない。それを守っていただけるのならば、ご自由にお読みください。」
「本当ですか!!」
それを聞いて嬉々としたおじさんは、読んだことのない本を求めて席をたった。
「おじ様らしいですわね。」
「まったくだ。みてると大きな子供にみえてくるよ。」
「ふふふ。おじ様に起こられますわよ。」
モーニングセットが届くのを待つ間、二人のことを紹介しておこうか。
嬉々として本探しに夢中な大人はブックコレクターの、ガベル・フォックスバード。僕のおじさんに当たる人。引き取られた貴族家で唯一奴隷のような扱いもせず、生きる力を与えてくれた恩人である。
真横に座って、オレンジジュースを飲んでいる少女は、南の国にすんでいる三等貴族の娘。カナリア・ブルーバードだ。僕より4つ年下の中学一年生。家族的には妹になる。
一応、兄として少ししたってくれている。そして…
「へちを向いて何をぼそぼそいってるのですか?"名無し"お兄様。」
「いや、別に。」
萌え属性ツンデレのカテゴリをもっている。
「お待たせいたしました。」
マスターがちょうど、モーニングセットを持ってきた。
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